こんにちは!ゆん(妻)です!
ChatGPTを授業準備で使ってみたいけど、具体的にどう使えば良いかわからない。
最近話題のChatGPTをすでに使ってみた先生方は多いと思います。
このChatGPTをどうにか仕事に活かせないかな?と考え、今回は授業準備にスポットを当てて考えてみました。
この記事を読めば、授業準備をする上での具体的な流れをイメージできるようになります。
ちなみにそのほかの活用事例については以下の記事を参考にしてみてください。
ChatGPTを駆使して、仕事を効率化させていきましょう。
それでは本題です。
ChatGPTで授業の準備をする3つのステップ【教員向け】
ChatGPTはあくまで「授業作りのアシスタント」みたいな感覚で使うと良いです!
- 授業についての質問をする
- ChatGPTの回答からアイデアをもらう
- アイデアをもとに授業を作る
ChatGPTは生成AIとして非常に優れものです。
しかし、「授業を作る」という面においては、不完全な面はもちろんあります。
人間がアイデアを生む過程において、「AIからヒントをもらう」というステップが加わったと考えれば良いのではないかな、と最近は考えています。
1. 授業についての質問をする
それでは、授業を作っていきます。
まず、宮沢賢治の『オツベルと象』の授業を作ってみましょう。
ChatGPTが作品について理解しているかを聞いてみます。
『オツベルと象』という宮沢賢治の作品のあらすじを150字で教えてください。
『オツベルと象』は、魔法使いの国のお城に、森の動物たちが集まっていた。そこには、小さな象のオツベルもいた。しかし、オツベルは体が大きくなりすぎたため、お城から追い出されてしまう。その後、オツベルは出会った動物たちと旅をするうちに、自分の力を発揮し、魔法使いの国を救うことになる。そして、オツベルが帰ってきたとき、お城の人々も彼を許し、オツベルは幸せな生活を送ることができた。物語は、オツベルが自分自身を受け入れ、他者と協力することの大切さを学び、成長していく様子を描いている。
全然違うじゃん!!!しかも238字だし!
これは驚きました。
『オツベルと象』の内容とは全く違うものが出てきてしまいました。
幸先が不安になったので『走れメロス』のあらすじも聞いてみました。
太宰治の「走れメロス」は、友情や正義を描いた短編小説です。悪政を敷く僭主による虐殺を目の当たりにした青年・メロスは、愛する女性の身代わりとして逮捕され、死刑を宣告されます。しかし、僭主が彼の村の老人の言葉に耳を傾けるという噂を聞きつけたメロスは、老人と面会するために逃亡し、友情によって助けられながら、死のうとする人々の中を駆け抜けていきます。そして、老人に会い、嘘であることを確信したメロスは、再び自らの命を犠牲にしても村に帰ろうとするのです。しかし、そこで出会った友人の言葉によって、メロスは正義を訴え、僭主を倒す決意をします。
なんか近いけど違うじゃん!!
「友情や正義」という点は主題として近い部分が出てきましたが、内容は一致しません。
とりあえず、「文学作品の内容についてはChatGPTでは正確性に欠ける」というのがわかりました。
そこで、「オツベルと象」や「走れメロス」といった個別の作品における質問ではなく、「文学作品全般」を扱った授業の質問をしてみました。
文学作品の授業をする上で、学習活動のアイデアを教えてください。
以下に、文学作品の授業で行える学習活動のアイデアをいくつか紹介します。
- キャラクターの分析:授業の前半で作品を読み進め、主要なキャラクターについて生徒たちと話し合います。その後、生徒たちにキャラクターごとにグループを組んでもらい、そのキャラクターの性格や行動についての特徴を共有させます。
- シーンの再現:授業の前半で読み進めたあるシーンについて、生徒たちに小さなグループを組んでもらい、そのシーンを再現してもらいます。役割分担をして台詞を考え、表現力を高めることができます。
- 絵本の作成:文学作品の中から特定のエピソードを選び、生徒たちに絵本を作成してもらいます。文章とイラストを組み合わせ、自分たちで表現することで作品への理解が深まります。
- 書評の作成:作品を読んだ後、生徒たちに書評を書かせます。自分たちの感想や思ったことを文章にまとめ、発表することで、表現力や批評的思考力が養われます。
- ディベートの実施:授業の前半で読み進めた作品に関して、生徒たちに異なる意見を持つグループを作り、ディベートを行います。それぞれの意見を尊重しつつ、自分たちの意見を主張することで、議論力や説得力が向上します。
これらの学習活動は、文学作品を深く理解し、自分たちで表現する力を育むのに役立ちます。
これは非常に良い回答がきました。
つまり、ChatGPTに対する質問として効果的なのは「大まかな学習ジャンルについての指導法」について聞くことです。
質問する時は以上のような点に気をつけましょう!
2. ChatGPTの回答からアイデアをもらう
質問の仕方が分かったところで、次は「アイデアをもらう」ということをやっていきます。
今回は、国語の「話すこと領域」における授業についてChatGPTに聞いてみます。
中学校3年生 教育出版
「構成を考えて主張をまとめる」
という単元の授業について聞いてみます。
・社会生活の中から自分で課題を見つけ、主張をまとめる。
・自分の立場や意見を明確にし、論理の展開や話の構成を工夫する。
以上の2点が目標となる、中学校3年生の国語の授業をします。 授業計画について教えてください。
中学校3年生の国語の授業計画を以下に提案します。
【目標】 社会生活の中から自分で課題を見つけ、主張をまとめる能力を養い、自分の立場や意見を明確にし、論理的な展開や話の構成を工夫する力を身につける。
【授業計画】
- 授業開始時に目標を説明し、生徒たちに今後の授業で取り組む課題の重要性を理解してもらいます。
- まずは、ニュースや社会問題についての記事を生徒たちに配布し、グループで話し合いを行わせます。その後、グループごとにまとめた意見を全員に発表してもらいます。
- 次に、生徒たちに自分たちが直面している問題を見つけてもらい、それについての意見を述べるエッセイを書かせます。エッセイの中で、自分たちの意見を論理的に展開し、話の構成を工夫することを求めます。
- 生徒たちが書いたエッセイを発表し、全員で話し合いを行います。発表者にはフィードバックを与え、自分たちの意見を改善する方法についてのアドバイスを与えます。
- 最終的に、生徒たちに新しい課題を与え、自分たちで発表を準備するよう指示します。発表では、他の生徒たちの意見を聞き、質問や批判に対応することが求められます。
【評価方法】
・グループでの話し合い、エッセイ、発表という3つの工程を通して、生徒たちの表現力、論理的思考力、話の構成力を評価します。
・また、他の生徒たちの意見に対して、どのように対応しているか、適切な反論や補足を行えるかどうかも評価の対象とします。
以上が、中学校3年生の国語の授業計画です。生徒たちにとって、自分の意見を明確にし、論理的に展開することができる力を身につけることができるよう、指導に当たりたいと思います。
「話すこと領域」のような、抽象度の高い質問になるとChatGPTの回答の質も上がるような気がします。
以上の授業計画の中から、自分なりに工夫を加えて授業をしていくと良いでしょう。
3. アイデアをもとに授業を作る
「文学作品の授業で行う学習活動」「話すこと領域の授業」の例で示してきた通り、ある程度の授業アイデアを得ることができることは理解していただけたと思います。
しかし、「ChatGPTが提案してきた内容に従えば授業が成り立つ!」ということはありません。
ChatGPTが出してくれたアイデアをもとに、授業を作っていきます。
そんな時、私はよく手書きでアイデアを出していきます。
iPadを使って、授業の流れを書き込んでいきます。
こんな感じです。
こちらは見づらいと思うのでPDFも掲載しておきます。
このように、ChatGPTからアイデアを得て、そこから手書きで授業を作るというのが効率が良いと思います。
今まではアイデアが浮かぶまで時間がかかりました。
しかし、「アイデアが生まれるきっかけ」をChatGPTからもらうことで、授業作りの幅も広がっていくと思います。
どんどん活用できるものは活用して、仕事の効率も質も上げていけたらいいですね!
ちなみに、この「オツベルと象」の板書計画や授業の流れをメモしているのは、「教員手帳」というGoodNotes6に読み込むタイプの手帳です。
教務手帳を紙で持つのではなく、iPad化することに成功しました。
興味のある方は、以下のリンクからご覧ください!
まとめ:ChatGPTはヒントを得るツール
冒頭でもお伝えしましたが、私はChatGPTを「自分専属のアシスタント」のような感覚で活用することが良いと思っています。
何か、自分のしている仕事に関して、何も気を使うことなく常に相談できる人が隣にいる状態を想像してみてください。
すごく良くないですか!?
同僚や上司から「なんでも聞いてね!」と言われたり、どんなに信頼し合えている関係でも、質問や相談をするということは「相手の時間を奪っている」ということでもあります。私はそう考えてしまいます。
でも、ChatGPTなら気を遣う必要なく、アイデアをもらえます。
また、ChatGPTを活用していく中で気づいたことがあります。
それは「自分の疑問に思っていることを言語化すること」は深く思考することにつながるということです。
ChatGPTを使っていると、正確に答えてほしいという気持ちが芽生えるため、質問のクオリティも自然に向上していきました。
さらに、質問を作成している段階で、自分で答えを導いていたこともありました。
つまり、質問を深く考えるということは、自分の疑問を深掘りすることでもあるので、結局は「深く思考していた」ということです。
「AIに頼ると考えなくなる」という意見もありますが、実際は深く考えるのは人間の方なのかもしれません。
長くなりました!
では、また!
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