【発問例あり】道徳の「中心発問」の作り方!子どもが本音で語る3つの切り口

「この時、主人公はどんな気持ちだったでしょう?」

先生方、この発問、よく使っていませんか?
(正直に言うと、僕も若手の頃はこればっかり使ってました。だって指導書に書いてあるし……。)

でも、これを聞いた瞬間、子どもたちはこう思うわけです。
「あ、先生が求めてる『正解』を言わなきゃ」と。

結果、出てくるのは「反省していると思います」「悲しかったと思います」という、金太郎飴のような優等生発言ばかり。
これじゃあ、議論なんて生まれませんよねぇ。

今回は、そんな「心情発問」を卒業し、子どもが思わず本音を叫びたくなる「中心発問」の作り方を伝授します。
キーワードは「気持ち」ではなく「判断」だったりします。

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目次

なぜ「どんな気持ち?」はNGなのか?

結論から言うと、「気持ち」は他人事だからです。
「主人公の気持ち」を聞いている限り、それはどこまで行っても「他人の分析」にすぎません。

しかも、学校という場所には「先生が喜ぶ答え」を言わなきゃいけないという空気が流れています。

「いい子」を演じてしまう理由(社会的望ましさバイアス)

人は無意識に「社会的に立派だと思われる答え」を選んでしまう傾向があります。
特に道徳の授業では、「反省すべき」「優しくすべき」という正解が見え透いているため、普通に聞くと建前しか出てきません。
出典:Edwards, A. L. (1957). The social desirability variable in personality assessment and research.

だからこそ、問い方を変えて、この「建前のバリア」を突破する必要があるわけです。なんとも困ったものですね。


議論を爆発させる「3つの切り口」

では、どう聞けばいいのか?
子どもたちが「えっ、どっちだろう……」と悩み、本音が出てしまう問いには、共通する「3つの切り口」があります。

切り口①:選ばせる(Selection)

一番シンプルで、最強の方法でありました。
「どんな気持ち?」というオープンクエスチョンをやめて、「二択」にします。

  • 「AとB、どちらの考えに賛成ですか?」
  • 「主人公の行動は、成功だった? 失敗だった?」

「どっち?」と聞かれると、脳は勝手に「選ぼう」として動き出します。
そして一度選んでしまえば、その理由を語りたくなるんですな。

立場を決めると熱くなる(コミットメント効果)

人は一度自分の立場を決めると、その立場を守ろうとする心理が働きます。
「なんとなく」ではなく「私はこっち!」と旗を上げさせることで、その後の議論への参加意欲が劇的に高まります。
出典:『影響力の武器』ロバート・B・チャルディーニ (著)

切り口②:評価させる(Evaluation)

善悪や、点数を聞く方法っすね。
「正しい」か「間違い」かではなく、その「程度」を問います。

  • 「先生の叱り方は、適切だったと思いますか?」
  • 「この場面で、主人公は何%悪かった?」

特に「数値化(%)」はおすすめです。
「100%悪いわけじゃない、だって……」と、「Yes, but(そうだけど、でも……)」の思考を引き出せます。これぞクリティカルシンキング(批判的思考)の入り口です。こいつは良いですねぇ。

切り口③:決断させる(Judgment)

自分事として考えさせる、究極の問いです。
「もしあなたなら」という条件で、行動を選択させます。

  • 「あなたなら、この場面で正直に言いますか? 言いませんか?」
  • 「この後、二人は仲直りすべきでしょうか?」

これは前回紹介した「自分事トリガー」の応用ですね。
自分の価値観を総動員して決断を迫ることで、道徳的価値が「他人事」から「自分の問題」に変わるってわけです。


明日から使える!中心発問の具体例

では、理論を実践に落とし込みましょうか。
よくある「心情発問」を「判断発問」に変えるだけで、授業はどう変わるか。ビフォーアフターで見てみます。

教材のテーマ💀 残念な発問(心情)✨ 本音が出る発問(判断)
正直・誠実
(手品師など)
「約束を破った時、どんな気持ちでしたか?」「自分の夢のために約束を破るのは、許されることでしょうか?」
規則の尊重
(雨のバス停留所など)
「注意された時、どう思いましたか?」「『少しぐらいならいい』という考えに、あなたは賛成ですか?反対ですか?」
家族愛
(ブラッドレーの請求書など)
「お母さんの手紙を読んで、どう思いましたか?」「お母さんが請求書にお金を入れなかったのは、正解だったと思いますか?」

どうでしょう? 右側の質問のほうが、「うーん、難しい!」と悩みませんか?
その「葛藤(モヤモヤ)」こそが、道徳の授業で最も大切な瞬間なんです。

モヤモヤを楽しもう(認知的不協和)

心理学では、矛盾する2つの認知を抱えた時に不快感(認知的不協和)が生じ、それを解消しようと思考が活性化すると言われています。
道徳の授業とは、あえてこの「不協和」を作り出し、思考させる場なんですねぇ。
提唱者:レオン・フェスティンガー(米国の心理学者)


まとめ:道徳は「心の天気予報」ではない

今回は、議論を呼ぶ「中心発問」の技術について解説しました。

  1. 「どんな気持ち?」は卒業する。
  2. 「選ぶ・評価する・決断する」問いに変える。
  3. コミットメントの力で、議論を自分事化させる。

授業の終わりに「今日の授業、楽しかった!」と言われるのも嬉しいですが、「うーん、めっちゃ迷ったわ……」と眉間にシワを寄せて教室を出ていく。
そんな姿が見られたら、その授業は大成功です。なぜなら、その子の頭の中には、授業が終わっても消えない「問い」が残ったわけですから。

さて、白熱した議論のあと、子どもたちは何をノートに書けばいいのでしょうか?
「楽しかった」「勉強になった」で終わらせないための「振り返り記述の指導法」について、次回は解説します。

「感想文」から「思考の記録」へ。これもまた、目からウロコのテクニック満載でお届けしますので、お楽しみに。

いずれにせよ、まずは明日の授業で「どっち?」と聞いてみるのが吉でしょう。

それでは、また。

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この記事を書いた人

▶︎元中学校の先生
▶︎Excel、、スプレッドシート、Notionが大好き
▶︎教員向けの業務効率化アイテム開発者

【リリース商品】
▶︎通知表所見作成ツール「所見攻略くん」
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▶︎授業時数カウントくん

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