実際、私が感じている疑問です。
ところで、「振り返り」の定義はどのようなものなのでしょうか。
学習指導要領に書かれている「振り返り」の定義は以下の通りです。
事後に振り返ったりすることで学習内容の確実な定着が図られ、思考力・判断力・表現力等の育成に資するものと考えられる。
つまり、振り返りは「学習状況の確実な定着」が図られるし、それによって「思考力・判断力・表現力等の育成」に役立つということです。
・・・ということは、まずは「学習状況の確実な定着」が必須です。
知識・技能がなければ、思考力・判断力・表現力は伸びないということです。
DaiGoさんの書籍は、DaiGoさんの考えではなく、数多くの科学的研究における論文の紹介です。
よって、教員の経験値による方法論よりも、信頼できると考えています。
ちなみに、『超効率勉強法』に書かれている、学習の定着に必要な方法はなんと・・・
「アクティブラーニング」だそうです!
そんな声が聞こえてきそうですが、DaiGoさんの紹介してくれる方法は科学的な根拠もあり、実践の価値があると思います。
本記事のテーマ
(振り返り)+(アクティブラーニング)=(学習状況の確実な定着)
記事の信頼性
元中学校教員として、実際に現場の「振り返り」を見てきて、いかに「曖昧なものか」を思い知ってきました。
そこで、振り返りの目的に対して、どのような方法が考えられるかをメンタリストDaiGoさん著『超効率勉強法』をもとに紹介します。
アクティブラーニング手法その1【想起】
人の脳が最も活性化し、頭に情報を刻み込む上で重要なのは「思い出すこと」だそうです。
つまり、「想起」とは「記憶」に特化した方法です!
必要な情報を思い出そうと頑張るほど、脳が強化されるということです。
この「想起」における学習方法の中で生かせそうなものが以下の2点です。
クイズ化:覚えたい情報をクイズにする
チャンク化:情報をグルーピングする
書籍で紹介されている学習方法を活用して、効果的な「振り返り」について考えてみました!
クイズ化
クイズ化の代表例として挙げれられるのは、単語カード、テキスト暗唱、模擬試験、問題集などだそうです。
ちなみに、「テスト」は科学的な観点からすると最強の勉強法だそうです。
とにかく「意識して情報を思い出す」という要素が含まれていれば、それらは全てクイズ化になるそうです。
心理学の世界では「検索学習」と呼ばれるそうで、なんと過去の研究によるとテキストの再読の比較すると、定着率は50%〜70%上がるのだとか。
こんな凄い数値を叩き出しているのだから、学校の授業に取り入れるべきだと思っています!
特に、振り返りの時間をクイズ化することはかなり重要だと思います!
ということで、振り返りをこんな感じでやってみたらどうでしょうか!
・教師は板書を全て消す。生徒は教科書、ノートなどは見ずに、授業の内容を思い出しながら学習内容をクイズ化する。(「教科書見てOKタイム」や「クイズ作成中に教科書を見て良い回数は・・・」などと、ルール設定しても盛り上がるかも!)
・全教科で授業終わりに必ず5分間で解ける程度のテストを入れる。そうすれば、1週間に20~25回程度はテストをすることになる!
ちなみに、家庭学習における指導でも、子どもたちにはとにかく「思い出す」ということを学習のどこかに組み込むことの大切さを伝え続ける必要があります。
教科書を見ながらノートをまとめたり、教科書にアンダーラインを引いたりといった、「想起のステップ」が学習に組み込まれていない方法だとなかなか記憶の定着はしないそうです。
とにかく「思い出す」を意識させていきましょう!
チャンク化
人間の脳は、バラバラの情報を何らかの法則に基づいてグループにまとめると頭に残りやすくなるそうです。
しかし、最初に書きますが、デメリットもあります。
それはバラバラの情報が持つ類似点を見抜く力が必要であるということです。
つまり、一定の学力が必要であるということです。
学力が低い子どもにとって、「それでは今日の学習をチャンクにまとめましょう!」と言われても、かなり厳しいでしょう。
そのため、チャンク化は学力でいえば平均以上の子どもに対して実践するべきだと思います。
よって、「クイズ化」を基本編、「チャンク化」を発展編として実践する方法が良いと思います。
ということで、振り返りの発展的な方法として、こんな感じでやってみてはいかがでしょうか!
・単元を通して学習してきたことをチャンク化させる。難しい児童生徒には、単元を通して学習してきたことを思い出しながらクイズ化させる。
・授業の終わりに、授業でポイントだと感じたことをチャンク化させる。難しい生徒には、授業のポイントをクイズ化させる。
アクティブラーニング手法その2【再言語化】
再言語化とは、自分の言葉で言い換えることです。
ちなみに、再言語化は何かを記憶することよりも「理解力を高めること」にとって大切だそうです。
この「再言語化」における学習方法の中で生かせそうなものが以下の2点です。
自己解説:HOWとWHYの質問を繰り返し、自問自答する
ティーチング・テクニック:学習した内容を他人に説明する
それでは、早速、振り返りのアイデアに移りましょう!
自己解説
自己解説とは、自問自答を繰り返し、理解を深めていくという手法だそうです。
ステップは3つです。
実は、このステップはそのまま振り返りに活用できると思っています!
ステップ1:大切だと思った学習内容を書き出す。
ステップ2:それに対して、原因(WHY)、仕組み(HOW)の質問を投げかける。
ステップ3:2で作った質問に対して答えを書き、正しいかどうかを確認する。
これをそのまま振り返りの時間に実施するべきだと思っています!
例として、社会科だとしたらこんな感じです。
ステップ1:江戸時代について
ステップ2:どのようにして江戸幕府ができた?(HOW)、なぜ江戸幕府は終わった?(WHY)
ステップ3:2で作った質問に対して答えを書き、正しいかどうかを確認する。
自分の言葉で再言語化することで、物事を理解する力が向上するそうなので、是非やってみてほしいです!
ティーチング・テクニック
ティーチング・テクニックとは、「学習した内容を他人に説明する」という手法です。
その中でも「10歳児教授法」という手法が非常に振り返りに適していると考えました。
10歳児教授法とは、そのままの意味で「10歳児にもわかるように説明をする」ということです。
これを活用した振り返りの方法がこんな感じです。
・授業(単元)で学習してきたことを10歳児にもわかるように説明をする。
※「説明する」→「ペアを作り、説明し合う」「白紙に説明をわかりやすく書く」など。
ちなみに、2014年のワシントン大学における研究での実験では、「この後に他の学生に教えなければならない」と思いながら勉強するだけで、「この後テストがある」と思いながら勉強した学生よりも、学習内容を思い出す確率が28%も高かったそうです。
日頃から子どもたちに「他の人に教えるつもりで勉強すること」の大切さは伝え続ける価値がありそうですね!
まとめ
学校現場には、もっと科学的なアプローチが増えていいと思っています。
どこか学校現場には、教員の経験則が最優先される雰囲気があります。
もちろん、ベテランの先生方の経験を否定するつもりはありません。
しかし、それはあくまで、そのベテランの先生が特定の学級に対して成功したというサンプルの一つでしかありません。
学校では授業においても、生徒指導においても「生徒の実態に応じて」という言葉がよく言われます。
生徒の実態に応じるならば、個人の主観で判断した「経験則による実践」を信じすぎるのは危険でもあります。
逆に、科学的なアプローチも全てが正解ではなく、あくまで「統計的な結果」であることも事実です。
そこのバランスを見極めながら実践していくことが大切ですね!
これまで紹介してきた方法はメンタリストDaiGoさんの『超効率勉強法』に掲載されています!
ぜひ読んでみてください!
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