学級経営で何をしたら良いか、わからないんだよな。
先輩教員のやり方も何かしっくりこないし。
そんな悩みを解決します。
本記事の内容
学級経営で大切なことは3原則!
D.カーネギー『人を動かす』に全て書いてあるので紹介
記事の信頼性
現役中学校教員9年目。
小学校、中学校、高校全てを経験し、そのうち担任は小学校1回、中学校6回経験しています。
読者さんへのメッセージ
本記事は「学級経営で大切にすべき考え方を知りたい」という方に向けて書いています。
そして特に以下の先生方に向けて書いています。
こんな先生方に読んでほしい
- 新卒採用の先生
- 初めて担任を持つ先生
- 先輩教員の助言がしっくりきていない先生
- 今までの自分のやり方からレベルアップさせたい先生
本記事では学級経営に生かせる「人を動かす方法」の3原則を紹介していきます。
学級経営で大切なポイント【3原則】

どんな本なの?
『人を動かす』簡単な紹介
- 世界で1500万部、日本では400万部以上読まれた名著
- 内容は「人間関係に関わる30原則」が書かれている
組織のリーダー、マネージャーなど、人を動かす立場にある人の必読書とも呼ばれています。
学校教員も担任業務、校務分掌などの様々な場面でリーダーとしての活躍が求められます。
つまり、本書は教員にとって必読書と言えるでしょう。
今回は特に学級経営において重要である「人を動かす3原則」を紹介します!
それでは、さっそくみていきましょう!
【原則1】人の批判をしないこと
担任をしていると生徒を指導することが確実にあります。
しかし、それが批判的な指導であると生徒は聞く耳を持たなくなります。


例えば、以下のような言葉で指導されると、子どもたちは「批判されている」と感じます。
- そんなのはダメだよ。
- そこは直した方が良いよ。
- その考え方、間違っているよ。
- そんなのおかしいよ。
- 常識的に考えて、変だよ。
こういった言葉を投げかけられて、
「ごめんなさい。間違っていました。」
という風に、心の底から変わろうとする子どもはいないでしょう。
もし、言葉では「ごめんなさい」と言っていても、その後の子どもの行動は変わらないでしょう。
さらに、カーネギーはこのように述べています。
他人のあら探しは、何の役にも立たない。相手はすぐさま防御体制を敷いて、なんとか自分を正当化しようとするだろう。
それに、自尊心を傷つけられた相手は、結局、反抗心を起こすことになり、まことに危険である。
つまり、批判的な言葉によって、人は動かないということです。
では、どうすれば良いのでしょうか。
その答えとして、カーネギーはリヴィングストン・ラーネッドの『父は忘れる』を引用しています。
人を非難する代わりに、相手を理解するように努めようではないか。どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか。よく考えてみようではないか。そのほうがよほど得策でもあり、また、面白くもある。そうすれば、同情、寛容、好意も、自ずと生まれ出てくる。
周囲の同僚教員の目を気にして、子どもを指導する先生。
子どもを叱責することに、「自分はちゃんと仕事をしている」という謎の優越感を感じる先生。
全て無意味です。
大切なのは子どもの言動を理解しようとすることです。
学級経営に生かせるポイント
いきなり指導ではなく、まずは子どもの話をよく聞き、理解に努めよう!
【原則2】率直で、誠実な評価を与える
簡単にいえば、「心からほめる」ということです。
では、心からほめるにはどうしたら良いのでしょうか。
カーネギーは徹底的に日常において他人をほめることを推奨しています。

お世辞っぽくなりそう…
そこで、カーネギーは以下のように述べています。
他人の長所がわかれば、見えすいた安っぽいお世辞などは使わなくても済むようになるはずだ。
つまり、「お世辞は嘘」であり、「誉めることは真実」なのだから、「他人の長所を見つけなさい」ということです。
担任として、毎日忙殺される中、一人一人を誉めることができていますか?
一人一人の長所を挙げることはできますか?
僕はそういった点から、「帰りの会」で日直の子が隣の席の子と担任から必ず褒めてもらえるコーナーを用意しています。
このコーナーのメリットは以下の3点です。
- 担任が子どもの良さを意識的に見るようになる
- 必ず全員の褒められる機会が保証される
- 担任の褒め忘れ防止
といったところです。
結構良いですよ。
システム化するって、大事!
学級経営に生かせるポイント
- 月に一度は必ず褒める!
→帰りの会でのコーナー化がおすすめ - 子どもの長所を分析する!
【原則3】人の立場に身を置く
これは「相手の立場になる」という単純なものではなく、「相手にとってのメリットを考える」ということです。
カーネギーは以下のように述べています。
人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。
子どもに説教をしても意味はありません。
子どもが何を求めているのかを理解する必要があります。
特に、日常の言動の変化を観察していくことで、子どもが現在、どういう状態なのかを理解することが大切です。
ここで一番やってはいけないことは、「問題行動に対して一方的に叱責すること」です。
それでは何も変わりません。むしろ、心が離れていくだけです。

「生徒の考えを受け止めることが大事」
っていうんじゃないの?
それでも、行動は変わらないよ。
ただ、カーネギーは
「相手にメリットがないと、行動しないよ」
と言っています。
つまり、受け止めるだけじゃダメ!ってことですね。

実際、皆さんもメリットがあるから、何か行動をしますよね。
子どもだって同じです。
ここで、僕の例を紹介します。
僕が担任をした学級の子で、将来、シンガーソングライターになりたいという子がいました。
その子は、勉強にほぼ無関心です。
そこで、勉強に対する意識を向上させようと、教育相談の機会にこんな話をしてみました。
シンガーソングライターって、どんな力が必要なのかなぁ。
ちょっと一緒に考えるか!
え??うーん、歌のうまさ…っすかね?
たしかに。
歌手だし、やっぱり歌唱力は必要だよねぇ。
他は??
え〜、なんだろ。
歌を作る力?ですかね。
歌を作る力って、
具体的に何??
うーん。
発想力じゃないかな!
特に歌詞書く時、かなり大事だと思うんで。
歌詞って大事だよね〜。
ちなみにさ、プロ歌手の曲って、国語的にいうと比喩とか、かなり歌詞に使われてるよね。
え、そうなんすか?
と、こんな感じのやりとりをしたことをきっかけに、この子は国語の授業では目の色変えて取り組んでいました。笑
これも、本人に国語を頑張るメリットが生まれたからです。
こういったことも、子ども一人一人の理解がなければできません。
僕の例で言えば、将来シンガーソングライターになりたいという本人の夢を知らなければ、以上のようなアプローチにはなりませんでした。
結局、子どもの分析を重ねつつ、何が本人にとってメリットとなるのかを考えることが大事だと思います。
学級経営に生かせるポイント
子どもの特徴を分析して、メリットを提示すること
まとめ
とにかく、学級経営においてカーネギーの考え方が生かせると思い、執筆しました。
僕はこのように、普段から「教育書」よりも、「思想哲学」や「心理学」などのジャンルの書籍から、学校教育について考えることが多いです。
しかし、なかなかじっくり本を読む時間もなかなか取れません。
そんな時に、flierを使って本を読んでいます。
1冊10分で読めるという最強コンテンツです。
興味のある方はぜひ!